ライン

gardenTools

The Well-Tempered Tool
使いやすい道具 (page3/4)

Iron or Steel? - 鉄、鋼?

 ガーデニングツールには、ステンレス鋼や工具鋼などの鉄鋼、アルミや銅などの非鉄金属、樫やブナなどの木材、ゴム、そしてプラスチックなどさまざまな素材が使用されています。ここでは代表的なものをいくつか紹介していきたいと思います。
 移植ごてやくわなど、いろんな道具の刃の部分に使われる鉄鋼。日常、私たちが「鉄」と呼んでいる金属は多くの場合「鋼(はがね)」です。鉄橋、鉄道、鉄塔、鉄骨。ビールやジュースのスチール缶、ナイフ、フォーク、スコップ、草刈鎌。鉄でできているこれらの品物は、厳密に言えば、鋼の製品です。 では、鉄と鋼はどう違うのでしょうか?
 中学の理科で習った鉄(Fe)、すなわち純鉄は比較的軟らかく、強度も低いので、そのまま使用されることはほとんどありません。そこで強度を高めるために、純鉄にごくわずかに炭素(C)、けい素(Si)、マンガン(Mn)、精錬過程の不純物りん(P)、いおう(S)などを含ませたのが鋼です。(これらを「鋼の五元素」と呼んでいます。)
 この五つの元素の中で、鉄の性質を最も大きく左右するのは炭素で、その量によって鉄はきわめて敏感に、硬くなったり軟らかくなったりします。炭素が1.7%以上の鉄を銑鉄と呼び、1.7%未満のものを鋼といいます。社会で使われている鉄の大多数は自由自在に加工でき、しかも強靱なこの鋼に属します。

 鋼とは、銑鉄や鉄くずを製鋼炉でもう一度精錬し、炭素や、その他の成分を必要に応じて調整したものですが、同じ鋼でも船の甲板やコンクリートの芯、自動車のボディなどに用いるような何よりも大量に使用され、かつ安価であることを必要とする鋼を「普通鋼」と呼びます。一方、自動車や機械のギヤ、あるいはベアリング、ばねのような重要な役目をもった部品に使用され、特別優れた性質を必要とする鋼を「特殊鋼」といいます。
 一般にガーデニングツールの金属部分には「普通鋼」かステンレスをはじめとした「特殊鋼」が使用されています。

nextPage


ライン