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outdoorGardening

It All Begins With the Soil
すべては土から始まる 
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化学的防除法

 「これは私の味方」とてんとう虫をバラの花へそっと帰すガーデナー。かつてはヒ素やDDTでいっぱいだった庭の道具小屋の棚には、今では殺虫効果のあるせっけんや自家製のこしょうスプレーが目を引きます。容器にていねいに積み重ねられた堆肥は、ジニアやパキスタスと同じように庭の一員として歓迎されるようになりました。


 現在、ガーデニングショップに行くと、殺虫剤や殺菌剤、そして除草剤といろんな薬剤が売られています。もちろん、有機栽培の庭でも使える化学的な防除法はあります。よく使われる予防法の石灰硫黄合剤もこの一つです。石灰硫黄合剤は気温が5℃以上の木や低木の芽が出る前の晩冬か初春に、植物に散布しすべての枝を合剤で覆い、越冬している昆虫や卵嚢を窒息させる薬剤。)
 そして一見、有機除草剤や有機物からできた殺虫剤と説明に書かれていると、あなたは安心して使ってしまうかもしれません。しかし、これらを安易に使うのはお奨めできません。
 「最も毒性の弱い防除法を選択する」とIPM(総合的害虫管理)は記しています。物理的防除法にしろ、生物的防除法にしろ、化学的防除法にせよ「いちばん毒性の弱い」方法から始めることを推奨します。それには、それぞれの特徴を慎重に考えて使用しなけばなりません。
 有機物からできた殺虫剤ピレトレン、サバジラ、ロテノンなどは、魚にとって致命的なものであり、人でもアレルギー反応を引き起こす場合があります。また、害虫だけでなく、益虫も一緒に殺してしまいます。
 硫黄や銅化合物(またはボルドー液)は、環境破壊を最小限におさえることはできますが、やはり有機物からできた殺虫剤と同じような問題が生じます。雨などで流れた残余物が小川や池、湖に入ると魚に害を与えます。また、硫黄に対してアレルギー反応を起こす人もいます。
 ニンニク、タマネギ、トウガラシ、ユーカリ油、ハーブのヨモギギクなどの抽出液は、家庭で作れるスプレーです。害虫が増食する前に散布すれば、侵略を阻止できる場合もあります。
 あなたの考え方や害虫問題の深刻さによっては、化学溶剤の力を借りたいと思う場合もあるでしょう。ただし、まずは最も毒性の弱いものからという原則を、もう一度思い出してください。バラについたアブラムシはホースからの強い水の散布で取り除けると思われますが、すぐ戻ってくるようであれば、殺虫用せっけんを被害の遭ったバラだけに、全体に散布してみます。



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